建物の天井裏・壁内部・床下における空洞部は、概ね30センチ未満の奥行き空間は中低音域の音が共振して透過したり、増幅されるため、基本的に吸音素材で充填することが望ましいです。
その典型例が一般住宅の天井裏や壁などに拡散する生活騒音や楽器の音です。それは木造住宅でもマンションでも共通して起こる現象です。防音設計では、空洞部における吸音層を含めて防音構造を計画し、詳細な仕様を設定しなければなりません。
吸音材には色々な素材・製品がありますが、一般的にロックウール製品が安定した吸音性をもち、不燃材であるため使用する場所の制限がありません。
基本的に厚さ・密度が大きくなると、低音から高音まで幅広い周波数帯において吸音性能が向上します。
*既製品の選定にあたっては、空気層の無い計測データを確認して適切な製品を検討します。
最も多い間違いが「発泡断熱材を吸音材と勘違いすること」です。ほぼ致命的な弱点になります。
*発泡材は殆ど吸音性がないだけでなく、逆効果になります。
古い遮音設計マニュアルにも、天井裏や壁内部に硬質系発泡材を使用すると逆効果になると明記されています。
一般的な吸音材には、ロックウール、グラスウール、PETウール(ポリエステル・ポリエチレン繊維)があります。